女性が一生続けられる仕事として人気の医療事務ですが、給料や年収はどのくらいなのか気になるところです。
仕事の給料や年収には地域や勤務先、個人の経験や実績などによって多少の違いがありますが、ここでは平均的な相場について紹介していきます。
医療事務の正社員として働いた時の給料と年収
初任給とはある仕事に就いたとき、初めの年度に支給される給料(月収)のことです。
正社員(正職員)の医療事務の初任給は、高卒が約15万7000円、大卒が約18万3000円という金額が平均的という調査結果が出ています。
この金額は一般的な事務職とほぼ同じレベルで、デスクワークの仕事の給料の相場といえるでしょう。
初任給は高いに越したことはありませんが、勤続年数が増えていくにしたがって給料もアップしていくので大きなこだわりを持つ必要はないかもしれません。
医療事務の給料は月収だけでなく、賞与(ボーナス)や諸手当を含めたトータルな金額で判断することが必要です。
医療事務の正社員の平均的な給料は?
就職初年度の初任給が分かったところで、次は医療事務の平均的な給料(月収)を見ていきましょう。
医療事務の平均月収は高卒の初任給が約15万7000円、35歳で約26万1000円、50歳で約34万3000円という調査結果が出ています。
大卒の初任給は約18万3000円ですが、35歳で約26万9000円、50歳で約35万5000円という結果です。
ここから、一般的な医療事務員の給料は約20~30万円が相場と考えていいでしょう。
医療事務の正社員の年収はいくらぐらい?
次に、医療事務員の平均的な年収を見ていきます。
医療事務の平均年収は勤続3年で約296万円、勤続10年で約364万円、勤続25年超で約503万円という調査結果です。
年収とは毎月の給料に賞与(ボーナス)などを加えたもので、一年間に受け取れる全収入という意味になります。
この平均年収を地域ごとに見てみると、最も高いのが関東甲信越エリアの約390万円、次いで東海・近畿エリアの約380万円、北海道・東北エリアの約360万円、中国・四国エリアの約325万円、九州エリアの約328万円の順です。
上記の金額から、医療事務の正社員の年収の全国平均は約356万6000円となります。
医療事務の仕事は経験や能力がものを言う職種ですので、年齢を重ねるごとに給料(月収)や年収は上がってきます。
女性にとっては結婚後も長く続けられる職業ですので、資格を取っておくと将来的にも安定した収入を得ることができるでしょう。
派遣社員の医療事務として働いた時の給料と年収
医療事務の新しいワークスタイルとして派遣社員という働き方があります。
派遣社員として働いた場合、給料や年収はどのくらいになるのかを紹介していきます。
医療事務の派遣社員とは?
昨今ではさまざまな職種で、派遣社員というワークスタイルが増えてきました。
医療事務もその例外ではなく、正社員やアルバイト・パート以外に派遣社員として働くというスタイルが定着してきています。
派遣社員とはエージェント(派遣会社)に登録し、その会社から各企業や会社に派遣されるという形式で働くというワークスタイルです。
仕事先はエージェントが紹介してくれるので、自分自身で求人先を探す必要はありません。
エージェントが職場や仕事の報酬(時給)、出勤日や労働時間といった勤務条件の交渉をしてくれるというメリットがあり人気があります。
派遣社員の給料の相場はいくら?
医療事務の派遣社員の給料は時給制(1時間にいくらという形式)です。
その時給の相場は1000~1400円が平均的な金額となっており、最も多い金額帯は1200~1300円となっています。
アルバイトやパートの標準的な時給は800~1200円程度ですから、派遣社員の時給のほうがやや高めといえるでしょう。
「派遣社員のほうが時給が高いなら、バイトやパートをする必要がない」と考える人もいると思いますが、派遣先は都市部が中心のため地方では仕事が少ないというデメリットもあります。
都市部で医療事務の仕事をしたいと考えているなら、アルバイトやパートより派遣社員のほうが収入は多くなる可能性が高いと考えればいいかもしれません。
派遣社員の平気的な年収の目安は?
医療事務の派遣社員の年収を見てみると、フルタイムで働いた場合は190~260万円程度というのが平均的な金額です。
これは1日8時間×月20日程度働いたと仮定して計算した年収で、勤務日数を増やしたり残業などを行なえば300万円以上の年収も可能でしょう。
正社員(正職員)の医療事務の平均的な年収は290~500万円程度ですから、フルタイムで働くなら正規の社員や職員として就職したほうが収入は多くなります。
派遣社員というワークスタイルのメリットは自由度が高く、自分の生活スタイルに合わせた働き方ができるという点です。
フルタイムの派遣社員として働くより、結婚や育児をしながら医療事務として働くというスタイルに合った働き方といえるかもしれません。
医療事務のアルバイト・パートとして働いた時の給料と年収
医療事務のアルバイトやパートは求人数が多くニーズの高いのが特徴です。
求人数が多いと勤務先を選べるというメリットがありますが、その時給の相場はいくらぐらいなのかを調べてみました。
アルバイト・パート時給の相場は?
医療事務のアルバイトやパート時給の相場は800~1200円程度が標準的です。
そのうちの実務経験がない(未経験)場合は800~1000円程度、実務経験がある(経験者)の場合は950~1200円程度が中心になっています。
未経験者であっても医療事務の資格がある場合と、まったく医療事務の知識がない場合とでは時給に違いが出て来る傾向がある点にも注目です。
アルバイトとパートの違い
医療事務の求人では「アルバイト」と「パート」と分けて募集している場合があります。
アルバイトとは正規従業員ではなく副業的な働き方をする雇用者、パート(パートタイマー)とは正規従業員よりも短時間労働をする雇用者のことです。
近年ではアルバイトとパートを厳密に分けるのではなく、同じような意味合いの言葉として使われている場合もあります。
正社員や正職員以外の仕事を見つけたい場合は、アルバイトとパートの双方で探してみるといいかもしれません。
医療事務の仕事の種類と時給
医療事務とひと口に言っても、仕事内容にはいくつかの種類があります。
主な仕事内容としては、病院やクリニックで患者さんの受付や診療費の会計を行なう「受付・会計業務」
レセプトと呼ばれる診療報酬明細書を作成する「レセプト作成」
患者さんのカルテ作成や記入を行なう「カルテ業務」
などが挙げられます。
アルバイトやパートでも、受付専門、受付と会計、レセプト専門、カルテ作成、全般を担当する等、さまざまな求人の種類が見られます。
仕事内容によってアルバイトやパートの時給に差があるかというと、目に見えて金額に顕著な差があるとは言い切れません。
むしろ、医療事務の資格を持っていたり、PC(パソコン)操作ができるなどがあれば時給アップに有利に働くことが考えられます。
医療事務のアルバイトやパートの時給には、地域や勤務先による差があるのが一般的です。
上記で説明した「受付・会計業務」や「レセプト作成」、「カルテ業務」など総合的に勉強しておくと就活に役立ちます。
併せて社会人に必要なビジネスマナーや、受付業務などに必要な接客マナーなどを知っておくと就職してから困らなくて済みます。
アルバイトやパートの時給は、就職後の勤務状況次第でアップしていくことが多いので、さまざまな知識を身に付けておくといいでしょう。