医療系から訓練士まで多岐にわたる犬に関わるお仕事の概要
近年のペットブームの影響を受け、以前とは比較できないほどたくさんの犬関連の仕事が誕生しています。
定番の職種から、一度も聞いたことのないお仕事まで幅広く存在しますので、将来は犬関連の仕事に就きたい、と考えている方は以下の仕事概要を把握しておくといいでしょう。
1、医療系
獣医師
犬を含む動物の病気を治療する事はもちろん、飼育管理、衛生管理から検査、研究などさまざまな能力が要求されます。
動物看護士
獣医師の補助や外来の受付、入院中の犬の世話や健康管理、掃除から飼い主のフォローまで仕事は多岐にわたります。
動物介在療法士
アニマルセラピーとして世界的に注目されるお仕事です。
犬などを介在して、人間の心の治療を行うサポートをします。
主に老人介護施設や小学校、などの施設に出向き、心の傷を癒したり、命の大切さを教えたりなどの活動を行います。
2、ショップ系
トリマー
ペットの美容師さんのことで、犬や猫の毛のカットからシャンプー、毛染め、ブラッシングに耳掃除、爪の手入れや肛門絞りなどを実施。
ペットシッター
ホテルや個人宅で働き、犬の身の回りの世話、散歩、などを飼い主に代わって行います。
ショップ店員
犬や猫、爬虫類や淡水魚などを扱うショップで働きます。
仕事内容は多岐に渡り、犬の世話などから接客、レジ打ちなどにも対応します。
ドッグカフェ店員
犬同伴で来店できるカフェで働きます。
犬のお世話を直接する事はありませんが、犬用の飲食の提供等をふまえた料理技術が要求されることもあります。
3、製造、研究、開発系
ペットフード研究・開発
ドッグフードやサプリメントなどの研究、開発を実施。
ペットウエアデザイン・製造
犬の洋服やおもちゃなどをデザイン、企画製造までを対応。
4、トレーナー系
家庭犬訓練士(インストラクター)
人間と犬が安全かつ快適な生活を過すための犬の飼い方、育て方の指導や、犬を預かり直接指導するなどを実施。
盲導犬訓練士
視覚に障害を抱える方の補助ができるまで犬に対し、さまざまな訓練をする仕事です。
同時に視覚障害者とのコミュニケーションをとりながら犬との関係を深める必要もあるため、さまざまな能力が必要です。
聴犬訓練士
耳の不自由の方の生活を補助してくれる犬を訓練する仕事です。
警察犬訓練士
犬の優れた嗅覚力を活用し、事件解決に向けた働きができるよう犬を訓練します。
直轄犬として警視庁や県警が直接育て、訓練するケースと、嘱託犬として、民間の訓練施設で管理、育成、指導するケースの2通りがあります。
災害救助犬訓練士
近年の自然災害(地震)等でその活躍ぶりが話題となり一躍注目されたのが災害救助犬です。
災害現場(地震や火災、遭難等)に向かい、遭難した方の救助ができる犬を育成、訓練します。
麻薬探知犬訓練士・ハンドラー
鋭い嗅覚を活かし、麻薬を探知する犬を訓練士育てます。
ハンドラーとは、麻薬探知犬を扱う仕事で、犬とのコミュニケーション能力が要求されます。
ハンドラーは国家公務員資格が必要で、税関職員として勤務します。
5、その他
愛玩動物救命士
犬、猫を対象としたペットの健康、命を守る仕事で、介護や福祉の現場で活躍します。
ペット災害危機管理士
災害が発生した場合、どのようにして犬を守るか、そして飼い主を安全な場所に避難、誘導、救助するかを考え、そこへ導く仕事です。
ペット葬儀
生きている犬を直接扱うのではありませんが、需要の高い職種。
犬を含むペット全般の火葬、葬儀等に対応します。
カウンセラー
犬の死によって受けた人間の心をケアするペットロスカウンセラーや犬の心を癒すカウンセラーなど、人間、犬双方の精神的安定、癒しを提供する仕事
ブリーダー
犬を中心とする交配から出産、繁殖を手がけ、流通に関わる仕事
犬に関わる職場ってどんなところがある?職場の種類
犬に関わる仕事は、何もペットショップや動物病院だけではありません。
この記事では、犬と関わる「職場」にスポットをあてて、活躍の場所を紹介します。
将来は、犬に関わる仕事がしたいけど、どんな場所で働けるのか、まったく分からないという方は、以下を参考にしてください。
1、医療系施設
まずは、定番ですね。
犬と関わったお仕事がしたい!と思う方が真っ先に思い浮かべる「職場」は、病院や介護施設ではないでしょうか。
現在増加傾向にある犬、猫等のペットを受け、全国各地にとても多くの動物病院が誕生しています。
24時間体制で対応している病院もあれば、ドッグランやカフェなどを併設している病院なども増えていますよね。
さらに犬の高齢化を受け、老犬を預かる施設や、人間の高齢化でやむなく手放さないといけない犬などを受け入れる施設なども増え、さらに需要が高まると予想されます。
このような職場では、獣医師、動物看護士、動物介護士や、アニマルカウンセラー、介助訓練士などのスキル、資格を持つ方が活躍しています。
国家資格など、特殊な資格を必要とする場合も多いため、医療系施設で将来は働きたいと希望する場合は、どのような資格やスキルが必要なのか、早めに確認してください。
2、ショップ・飲食系
ペットショップやペットサロン、ドッグカフェにテーマパークなど、多くの犬好きが集まる職場で働きたいという方には、ショップ、飲食系がおススメです。
常に多くの犬と触れあうことが可能です。
さらに、医療系の職場とは違い、犬が健康でとても元気なので、毎日明るく楽しく仕事に専念できる点が魅力です。
また、働いている人間も、全員が犬好きという共通の感覚を持つ方ばかりなので「楽しく仕事がしたい!」方に最適です。
特別な資格等は、必要ありませんが、多くのお客さまを接する機会が多いため、コミュニケーション能力は最低限必要です。
ただし、トリマーの場合は、トリミング、グルーミングの技術が必要不可欠、また飲食、カフェ等の場合は、料理等ができないと採用されないケースもあります。
飲食、ドッグカフェで高額収入を得るには、動物栄養士等の資格があれば給与査定にもプラスに影響するはずです。
3、ホテル・宿泊施設
飼い主の留守中に飼い主に代わって、大事な犬を預かるのがホテルや宿泊施設などです。
24時間体制で対応しているところもあるので、職場によっては、不規則な業務形態になる事もあります。
ただ、犬を自宅で飼えないけど、仕事で犬と関わりたい、という方には絶好の職場です。
なぜなら、飼い主に代わって、お散歩や飲食、遊びなど身の回りのすべてに対応できるので、短い時間ですが、自分の犬同然に可愛がることが出来ます。
未経験、無資格でも採用している職場もありますが、ペットシッターや動物看護士、動物介助士、ペットカウンセラー、動物栄養士などの資格保持者であれば、尚高い給与で採用されることが予想されるので、今のうちに資格を取得する方向で、計画してもいいかもしれません。
その他、ホテル宿泊施設で経験を重ね、その後独立開業という夢を叶える事も・・・。
いずれは、自分でペットホテルなどを経営したい、という夢を持っている方は、このような職場で経験を積むのもおススメです。
4、空港・警察署
犬関連のお仕事で、近年とても注目され人気が高まっているのが、空港や警察署という職場です。
何よりも安定した収入が確保できますし、やりがい、充実感ともに高いことで人気です。
でも、空港や警察という職場で、一体犬とどうやって関わるの?と首をかしげる方もいるかもしれませんね。
まず、警察署、という職場では、警察直轄の警察犬訓練士として勤務します。
一応、警察官、という採用で、訓練士という任務が与えられるので、お給料は、公務員制度で支払われます。
民間に嘱託されている警察犬訓練士に比べるとはるかに高収入なので、給与で職場を選ぶ方は、こちらが断然おススメです。
ただし、警察官採用試験を受けなければならないので、学生の今のうちに勉強をスタートさせたほうがいいかもしれませんね。
続いて、空港という職場での犬とのかかわりですが、これは、麻薬探知犬訓練士、もしくはハンドラーとして任務します。
近年急増している海外からの旅行者の身体を麻薬探知犬とハンドラーとなる税関職員がタッグを組んで、麻薬を持ち込む人を見つける、というお仕事になります。
世界中から人が押しよせる空港という職場で、犬を扱う仕事なので、高度で特殊な能力が要求されますが、とてもやりがいのある仕事です。
この職場で犬と関わる仕事がしたい方は、税関職員として採用されなければいけません。
国家公務員試験に合格し、税関職員になった後は、麻薬探知犬訓練士、ハンドラーの配属を希望しましょう。
ちなみに、希望する部署、職場に必ずしも配属されるとは限りませんが、参考までに国家Ⅱ種、Ⅲ種試験合格者の比較的若く体力のある職員が該当するみたいですね。
5、厚生労働省管轄機関(保険所・愛護センター等)
最近よくニュースで取り上げられる「動物殺処分ゼロ」という取り組みを知っていますか?
ペットとして飼った犬を捨てたり、虐待したりと、最低な人間の行動によって、引き取られた犬が身を寄せる場所、それが、保険所や愛護センターです。
保険所や愛護センターは、一定期間保護した犬をその後処分する、という仕事内容でしたが、昨今の働きによって、処分しない方向へと取り組みが進んでいます。
ただ単に犬が好きということだけでなく、犬のこれから、犬の生き方そのものを最後まで考え、社会全体を動かすというのが、この職場です。
犬のことを深く愛し、徹底的にかかわりたいという方におススメの職場ですが、楽しいことよりも辛い現実のことが多いかもしれません。
保険所や愛護センターは厚生労働省管轄の機関なので、公務員試験に合格しなければいけません。
辛い思いをする犬を1匹でも救いたいと思う方におススメの職場です。
以上が、「職場」にスポットをあてた、犬に関わって仕事ができる環境です。
職場によって、求められる資格や就職の仕方などが異なります。
特に公務員試験は、年1回とチャンスが限られていますので、早めに調べておくようにしましょう。
犬関連の仕事は、どれくらいの給与、年収がある?高額な職種は?
犬関連の仕事の職種別給与、年収等をまとめています。
自分の希望する職種の年収がどのくらいなのかをある程度把握しておくようにしましょう。
ケース1、「医療系」
獣医師の給与・年収
獣医師の給与・年収は、勤務先の給与形態等によって、大きな差は生じるものの、一般的な手取り額は、月額25万から40万前後。
例えば、一般的な動物病院等で獣医師として働く場合で、正社員採用の場合で、手取り30万前後で年収360万程度。
一方、勤務医と違い、開業医として自分病院を持った場合、その規模にもよりますが、年収500万から1000万前後、というところもあります。
その他、動物用医療品関係の企業、製薬会社等で正社員として働いた場合は、500万から1200万以上の年収が期待できることもあります。
獣医師の月給、年収は、勤務経験、能力、実績等、さらには勤務先、勤務形態等によっても大きく差が生じます。
動物看護士の給与・年収
動物病院での診療助手、検査助手、入院看護、その他一般業務を週休2日程度で、8時間勤務プラス1時間程度の残業をこなした場合、新卒月収で15万から18万スタート。
経験者や能力に応じ、18万か20万スタートで、賞与が出ないのが殆どなので、年収180万から240万程度。
さらに、パート・アルバイト勤務の場合は、時給950円から1200円程度で、業務内容は動物看護士の一般的な仕事とほとんど変わりません。
カウンセラー給与・年収
アニマルセラピストなど特殊な技術、能力を要する仕事で、介護施設・学校や病院等さまざまな環境へ出向きます。
ただし、ボランティアとして活動することが多く、ほとんどの方が、他の仕事の傍らで行っているのが一般的。
そのため、収入はゼロということが多いのですが、中には、契約社員として採用を実施しているところもあります。
その場合、月給で15万から20万前後年収で、180万から240万。
中には、日払いで、5千円から8千円というところもあります。
ケース2、「訓練士・ハンドラー系」
ドッグトレーナーの給与・年収
ペットショップやしつけ教室、など勤務先によって給与、年収等に差はあります。
一般的には、初任給12万から18万程度。
年収にして190万から300万程度となります。
ただし、訓練所などへの住み込みで働く、見習いとして訓練所に入所する場合は、食費、住居費、などを差し引いて、給与が5万円程度とかなり低く設定されています。
ドッグトレーナーとして高額収入を目指すには、特別な資格を取得や、経験、実績を積み重ねるしかありません。
麻薬探知犬、警察犬訓練士、ハンドラーの給与・年収
麻薬探知犬の訓練士、ハンドラーは国家公務員という勤務状況なので、お給料は国が定めた金額が設定されています。
麻薬探知犬の場合、一般職の給与となりますので、初任給で18万前後。
経験年数に応じ給与はアップしますので、30代、40代ともなれば、年収600万から700万以上の高額収入が期待できます。
一方、警察犬訓練士の場合は、直轄警察犬訓練士と民間団体の嘱託訓練士の2つのケースに分けて考えます。
直轄警察犬訓練士の場合は、警察官が訓練士として働くので、もちろん公務員となります。
そのため、給与は、公務員制度に適応され、初任給が18万スタートでそのまま順調に勤務できれば、年収700万以上は確保できます。
もちろん、退職金もありますので、かなり安定した収入が見込まれます。
一方、嘱託警察訓練士は、民間団体への勤務形態となるので、月収は、12万から15万前後と直轄警察犬訓練士とは、雲泥の差があります。
また嘱託警察犬訓練士の場合、業務は多岐に渡ります。
盲導犬の給与・年収
盲導犬訓練士の初任給は、14万から16万前後、経験と実績、能力に応じて、25万から30万の平均給与、年収250万から370万は見込めますが、24時間体制で、盲導犬となる犬の世話が必要となるため、早朝から夕方、深夜など不規則な業務形態となります。
ちなみに、どれほど経験と実績を重ねても独立開業が出来ません。
ケース3、「ショップ系」
トリマーの給与・年収
動物病院やサロン、ショップなどで働くことができるトリマーは、勤務先によって、月給、年収が大きく違います。
経験、能力によって高額となり、最も高いところでは、月給35万以上、逆に最も安いのがアルバイト・パートの時給860円スタートとなります。
能力が認められ、お客からの評価が高くなるほど、指名数も増えるので、年収は、300万から450万以上も期待できます。
経験や評判を積み重ねるといずれは独立開業も可能で、さらに高収入が見込めます。
ペットシッターの給与・年収
ペットシッター正社員の給与は、15万から25万程度で、年収200万から300万ほど。
経営者として独立開業し、ある程度の固定客がつけば、それなりに年収も倍増します。
逆にアルバイトやパートの場合は、時給制で、860円から1500円ほど。
今後、さらに需要が高まることが予想されるため、資格、能力等によっては、安定した高収入も期待できます。
ケース4、研究・開発・製造系
ペットフード研究開発の給与・年収
大手製薬会社や企業、研究施設等によって給与形態が異なります。
正社員として勤務した場合は、年収500万から600万前後、派遣社員の場合で、月給25万前後、いずれも試用期間として最低3ヶ月程度があります。
各会社、企業によっては、能力、経験、実績で高収入等も期待できます。
ケース5、その他
ブリーダー給与・年収
一般企業に就職した場合、初任給で18万前後、年収220万程度。
経験実績を重ね、平均年収が400万から500万前後となります。
個人でブリーダーとして働く場合は、取り扱う数、種類等によって収入は大きく違います。
例えば、1匹10万で販売できれば、10匹で100万が売り上げとなり、その中から繁殖にかかる経費を差し引くので、残りが収入となります。
経費には、ワクチン代、予防接種、エサやシャンプートイレ等にかかる日用品、ケア用品、繁殖費用、出産費用等があります。
犬関連の仕事に就くにはどんな技術(スキル)が必要?何が求められる?
犬関連のお仕事に就き、プロとして活躍するには、さまざまな技術力、スキルが要求されます。
この記事では、犬関連の仕事に必要な技術を仕事種別ごとにご紹介します。
必要とされる技術が分かれば、早い段階で対策・準備ができるので、他の人と差をつけることができますよ。
「トリマー」必要な技術(スキル)
犬の毛のカット、シャンプーに爪の処理、体調管理などを行うトリマーに要求される技術は、「グルーミング」や「トリミング」です。
「グルーミング」とは、本来動物が体の衛生や幾能維持などを目的に行う行動で、体についたゴミ、汚れ、ホコリ、砂などの処理、そして毛づくろい、ノミとりなどがあります。
ペットとして飼われている犬と人間が一緒に生活していくうえで、清潔で健康な状態が維持できるようお手伝いするのが「トリマー」のお仕事なので、まずは「グルーミング」技術が必要です。
具体的な内容は
1、ブラッシング
コームやスリッカーといった道具を使って、毛を整える、毛玉を取り除く、もつれ毛をほぐすなどを実施。
さらにブラッシングしながら血行促進、新陳代謝促進なども実施するので、犬が気持ちよくなるようなブラッシング技術が要求されます。
2、耳掃除
耳の汚れの除去、ムダ毛の処理を実施します。
しかし、感覚器官となる犬の耳は、かなり敏感。
そのため、触れられることを異常に嫌がるワンちゃんも多いことから、安全にかつスピーディーに耳掃除ができるテクニック、スキルを要求されます。
3、シャンプー
汚れ、体臭、皮膚病予防などの効果があるシャンプーですが、洗い方によっては、皮膚を傷つけ病気を発症するリスクもあります。
犬は、水に触れられることを嫌がるため、犬を落ち着かせて、スピーディーにかつ丁寧に作業を行う技術が必要です。
4、爪キリ・肛門絞り
飼い主でさえ難しいのが爪キリ、肛門絞りです。
他のどの部位よりも、嫌がるそぶりを見せる犬が多いため、スピーディーな処理能力が特に要求されます。
5、トリミング
全身の毛のカットのことをトリミングといいます。
犬が清潔で安全にそして快適に過せることを目的とする、と同時に飼い主の要望にも添うカットデザインでなければいけないので、
カットセンスも要求されます。
「医療関係者(獣医師・看護士、介護士)」必要な技術(スキル)
1、医療器具の扱い
獣医師は、全ての医療器具がスピーディーにかつ正確に扱うスキルがなければいけません。
特に、長時間静止するのが難しい犬の体に注射をしたり、聴診器をあてたりする技術は、人間の場合と比べ、かなり難しい技術となります。
その他、当然ですが手術の技術など、高度なスキル、能力が求められます。
2、コミュニケーション能力
動物看護士は、獣医師、そして飼い主、犬を繋ぐ重要な立ち位置にあります。
そのため、あらゆる立場になって全てを察知できる能力、コミュニケーション力は絶対に必要不可欠。
さらに、獣医師が快適にかつ、十分に診察、治療に専念できるような環境作りのスキルも要求されます。
3、観察力
犬の高齢化にむけ、今後需要が高まることが予想される動物介護士には高い観察眼、観察力が必要です。
状態を見極めることが難しい高齢犬の心身の状態などを正確に見通せるスキルがなければ、瞬く間に命の危険に直面します。
「ブリーダー」必要な技術(スキル)
犬の飼育から管理、交配や流通など繁殖技術だけでなく、その後どのように流通させるべきかなど、トータル的な技術、能力が要求されます。
ただ単に犬を増やす、というだけでなく、現在どのような犬が人気で、どのような犬が飼いやすいかなどの研究、健康な犬を誕生させるにはどうしたらいいのか、日々勉強し、スキルアップする努力と忍耐も求められます。
「訓練士」必要な技術(スキル)
家庭犬を対象とした訓練士の場合は、飼い主とのコミュニケーションスキルが最低限必要です。
その他、親身になって飼い主の悩みを聞いたり、飼い主が求める犬に育てるなどの忍耐力も要求されます。
一方、盲導犬、介助犬、麻薬探知犬等、特殊な能力を引き出し、人命に関わるスペシャルな犬を訓練する場合は、それこそ特殊技術が求められます。
犬がもともと持つ優れた嗅覚、聴覚、感覚などをさらに引き出すためには、犬と信頼関係を築き上げる技術、訓練士としての資質、忍耐力などトータル的なスキルが必要です。
以上4つのケースが必要とされる技術(スキル)・能力等を紹介しましたが、いずれも犬に対するホンモノの「愛情」が根底になければいけません。
さらに、向上心と探究心を持ち、尽きることのない貪欲なスキルアップ意欲も必要不可欠となります。
犬関連の資格や経験は将来必ず役に立つ!どんな事が期待できる?
犬に関する資格や職場はたくさんあります。
そして、資格の所持や現場での経験、その他実績等は、さらに活躍の場を広げ、将来大変有利になることは間違いありません。
でも、犬に関する資格や働く環境があまりにも多すぎて、どの道に進めばいいのか正直分からない、という方のために
「この資格を持っていれば」
「この経験を活かせば」
将来どのように有利に活用できるか、などを紹介します。
できれば、数年後、数十年後を見据えて役に立つ資格、経験を重ねたいですよね。
増え続ける「ペット」の現状
今、どれくらいの犬、猫がペットして飼われているか知っていますか?
現在、確認されている全国の犬の飼育頭数は1193万頭以上、猫の960万頭(ペットフード協会調べ平成23年時点)で、計2000万頭!
犬を飼いたいと思っている方もとても多く、今後も数は増え続けると予想されています。
また、動物医療の高度化、ペットフードの改良等によって、犬の高齢化も進み、嬉しい反面、現状では介護という深刻な問題も浮上。
一方で、無責任な飼い主によって放棄された犬の殺処分数は年間12万頭以上と、世界的に見ても日本は圧倒的に高い数字です。
さらに、人間の高齢化により、お年寄りが飼っている犬が飼い主の突然の病気、死亡等で引き取られ、残酷な生涯を遂げるという事も少なくありません。
このような事態を回避するには、あらゆる分野ジャンルで、犬に関わる仕事に従事するプロが必要不可欠です。
以上の状況からも、この後も動物、犬に関わる仕事の需要は高まると予想されます。
上記のことをふまえ、どのような仕事、資格を取得すれば、将来どのように役に立つのか、などを具体的に紹介します。
1、独立開業
犬を飼う人は、年々増え続けているため、この先も需要は高まる一方です。
そのため、犬に関する資格や経験を積み重ねると、将来は、「独立開業」という方法で、自分のショップなどを経営する事も可能です。
例えば、ドッグカフェで現在アルバイトとして勤務している方は、お店の仕組み、経営の方法等をしっかりと現場で学ぶことで、いずれ自分がショップオーナーとしてその経験を活かす事はできますよね。
ただし、ショップの経営者になるには、保健所への届出や飲食を提供できるだけの技術なども必要なので、あらかじめ準備をしておく必要があります。
その他、トリマーとしての資格を取得し、多くの方に高く評価され、知名度も上がれば、自宅を改装して自らがショップオーナーとなることも出来ます。
トリマーは、道具と、自分の腕さえあれば、何歳からでも独立開業できるので、特に人気です。
2、高収入が期待できる
需要が高まる一方の犬関連の仕事は、将来高い給与が期待できます。
中でも現在、バラバラの資格となっている動物看護士ですが、資格一本化の動きが本格的になっており、国家資格になる可能性も出ています。
国家資格となると、将来的に安定した収入が約束されますので、今以上に価値の高いものとなるのは間違いありません。
近い将来、動物看護士の仕事に就くには、かなり競争率が高く、非常に難しい状況になる可能性もあります。
今のうちに動物看護士の資格を取得しておくことがおススメです。
3、世界中で活躍できる
犬に関する資格を取得すると、場所、地域、問わず活躍する事も夢ではありません。
特に動物看護士やトリマー、訓練士などの資格、技術経験等は、日本国内にとどまらず、世界中どこへ行っても通用する能力です。
犬は世界中に存在し、それに関わるお仕事は、現在どこへ行っても、不足しているのが現状です。
また、万が一資格取得後、別の道を歩んだとしても、この技術と経験さえあれば、自分の希望次第で、将来再びこの業界に戻る事もできますよね。
努力と経験、取得した資格は、絶対に将来あなたのプラスになる事は間違いありません。
4、飼い主としてスペシャリストになれる!
あらゆる資格を取得して、現場で経験も積んだけど仕事は続かなかったとしても、この能力は将来決して無駄にはなりません。
例えば、あなた自身が犬の飼い主になったとき、他のだれよりもスペシャルな飼い主になることが出来ます。
トリマーの技術があれば、自分の犬を自らの手で、トリミングもカットもできるので、その費用を浮かすことが出来ます。
その他、訓練士の資格や技術があると、わざわざトレーナーにお金を払って、しつけ訓練を受けさせる必要もないですよね。
動物栄養士や介助資格等についても、取得したものはすべて自分の犬(ペット)に役立てることが出来ます。
さらに、お友達やご近所の愛犬家同士の繋がりにも役立てる技術なので、将来、取得していて無駄にはなりませんよ。